うつ病と間違えられやすい病気

違いを探す虫眼鏡

こんにちは。青森県弘前市の精神科医の工藤です。

うつ病と間違えられやすい病気(抑うつ状態になる病気)はたくさんあるが、『身体疾患』と『精神疾患』の二つに別けることができる。

*記事内のリンクですが、PCではきちんと作動しますが、スマホやタブレットではジャンプ先が少しずれてしまうようです。原因究明中です。すみません。

うつ病と間違えられやすい”身体”疾患

  • 感染症 
    伝染性単核球症、AIDS
  • 内分泌系疾患
    甲状腺機能低下症、副腎機能低下症
  • 物質誘発性
    降圧剤、抗てんかん薬、抗パーキンソン薬、抗腫瘍薬など
  • 神経学的疾患
    パーキンソン病、認知症、てんかん、脳血管障害、腫瘍など

なお、パーキンソン病の50%ほどで抑うつ症状を認めるとされている。

また、脳血管障害(いわゆる、脳卒中:脳出血や脳梗塞)を発症後、2年以内に抑うつ状態になりやすい。なかでも、前頭葉の障害ではうつ病を発症しやすくなる。

仮性認知症(うつ病)とアルツハイマー型認知症などの認知症性疾患との鑑別

うつ病と認知症は似たように見えることがあるのは、以前から知られており、鑑別は重要である。『うつ病の症状で思考のスピードが落ちる(思考制止)と、一見するとアルツハイマー型認知症などの認知症性疾患のように見える』ということから、仮性認知症と呼ばれる。

仮性認知症とうつ病は、以下のような違いから鑑別する。

  • 仮性認知症(うつ病)では、認知機能障害は突然始まり比較的急速に完成する。認知症は月〜年単位で緩徐に進行する。
  • 仮性認知症(うつ病)では、自責感など他のうつ病の症状を伴う。認知症では認めない。
  • 仮性認知症(うつ病)では、認知障害の日内変動がみられる場合もある。
  • 仮性認知症(うつ病)では、しばしば「わかりません」といって質問に答えようとしない。しかし、何度も聞くと答えられたりする。
  • 認知症患者は適当に取り繕ったりし、また繰り返し聞いても正解しない。

ただ、認知症患者でも抑うつ症状はみられることはあり、鑑別が難しいこともよくある。

うつ病と間違えられやすい”精神”疾患

うつ病と間違えられやすい精神疾患(抑うつ状態を伴いやすい精神疾患)にはこのような疾患がある。

適応障害は日常的によく診る疾患であり、抑うつを伴うもの、不安を伴うもの、素行障害を伴うものなどに分類される。

「学校の試験が続いて、『うつ』になるわー!」、「彼氏にフラれて、『うつ』だわー」といった雰囲気で使われている『うつ』は、ほど間違いなくうつ病ではない。

適応障害では抑うつ状態になっても、うつ病の抑鬱状態とは経過も治療方針も異なるため、精神科医としては鑑別したいところであるが、世間ではまだまだ違いがわらない人の方が多いと思われる。(適応障害からうつ病に進展するケースもあ、鑑別しきれない場合もある)

適応障害とうつ病の違いは、今後、解説したい。

躁うつ病のうつ状態とうつ病のうつ状態は違いがないので、うつ状態だけみても区別することはできない。そのため、これまでの病歴などを確認することが必要である。

まとめ

「うつ病に間違えられやすい病気」がたくさんあることがわかったと思う。私たち精神科医は、これらの疾患を鑑別・除外しながら(時間は限られており、全てを網羅的には行えないが、ポイントを絞り、少なくとも意識はしながら)診療を行っている。

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